認知症診療に対する
当院の考え方
「認知症」と聞くと、不安や恐怖を感じる方は少なくありません。
しかし認知症は、“すべてが突然できなくなる病気”ではなく、周囲の理解や適切な医療・支援によって、その人らしい生活を続けていくことができる病気です。
当院では、認知症を「怖がるもの」ではなく、これからの人生をより良く生きていくために、上手に付き合っていくものと考えています。
大切なのは、早期に状態を把握し、原因や進行度を正しく評価したうえで、ご本人・ご家族に合った支え方を一緒に考えていくことです。
物忘れの背景には、加齢による変化だけでなく、脳梗塞や慢性硬膜下血腫、水頭症など“治療可能な病気”が隠れていることもあります。
当院では、脳神経外科専門医による診察に加え、MRI検査を活用し、脳の状態を丁寧に評価します。
認知症診療は「薬を出して終わり」ではありません。
- 今後どのような変化が起こりうるのか
- どのような生活環境が望ましいのか
- ご家族はどのように関わればよいのか
- 介護保険や地域支援をどう活用するのか
まで、人生全体を見据えたサポートが重要だと考えています。
当院では、医療だけでなく、リハビリテーションや介護連携も含め、患者さんとご家族がこれからの人生を
「安心して心豊かに
日々を過ごせること」
を大切にしています。認知症になったから人生が終わるわけではありません。
これからの人生を少しでも穏やかに、安心して、自分らしく過ごしていただけるように。
私たちは地域医療の一員として、患者さんとご家族に寄り添いながら最大限のサポートを行います。
加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れ
「最近、物の名前が出てこない」「同じことを聞いてしまうことが増えた」など、忘れっぽさを感じる場面は年齢とともに誰にでも起こり得ます。しかし、加齢による影響なのか、認知症のサインなのかによって対応は異なります。
加齢によるもの忘れ
-
体験の「一部」を忘れる
(朝食のメニューは忘れたが、
食べたことは覚えているなど) - ヒントがあれば思い出すことができる
- 忘れたことを自覚している
- 人の名前や言葉がすぐに出てこない
-
物を置いた場所を忘れるが探すと
見つけられる - 日常生活には困らない程度のもの忘れ
認知症が疑われるもの忘れ
-
体験した出来事「そのもの」を忘れる
(朝食を食べたこと自体を忘れるなど) - ヒントがあっても思い出せない
-
忘れたこと自体の自覚がない
(自分のもの忘れを認められない) - 時間や場所が分からなくなることがある
- 同じことを何度も質問する
- 日常生活の判断や動作に支障が出る
「加齢によるもの忘れ」
かもしれない方へ
もの忘れはアルツハイマー型認知症だけでなく、脳梗塞や慢性硬膜下血腫、水頭症、パーキンソン病や若年性認知症など治療可能な病気が隠れている場合があるため、一つでも気になる症状があれば脳神経外科を受診することをお勧めいたします。 当クリニックでは、AI搭載のMRIの画像検査を用いて脳の状態を詳しく確認し、原因の見極めを丁寧に行います。お気軽にご相談ください。
認知症が疑われる方へ
以下のような症状は、単なる加齢によるもの忘れではなく、認知症の疑いがあるため、医療機関へご相談ください。
同じことを何度も聞く・言う・書く
約束の場所や時間を間違える
以前あった場所のものを探せない
判断力が低下し、社会生活(買い物、金銭管理、公共交通機関の利用)に支障が出る
市橋クリニックの認知症の対処・治療法
認知症は早期に気づき、適切に対応することで進行を緩やかにし、日常生活をより長く維持できる可能性があります。脳神経外科では、脳の状態を医学的に評価しながら原因を確認し、症状に応じた対応を行います。
早期受診
認知症は完全に治すことが難しい場合でも、早期から治療や生活調整を行うことで、症状の進行を 緩やかにし、日常生活を長く保てる可能性があります。生活の質の維持やご本人・ご家族の安心にもつながります。気になる症状があればお気軽にご相談ください。
薬物療法
症状や診断に応じて、認知機能の低下を緩やかにする薬や、意欲低下・不安・睡眠障害などのBPSD(周辺症状)を和らげる治療を検討します。患者さまの生活状況に合わせて調整を行います。
生活習慣の見直し
適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠、社会参加などは脳の健康維持に重要とされています。日常生活で無理なく取り組める方法についてアドバイスを行います。当院は介護保険サービスを通じた地域コミュニティへの参加も重要であると考えており、積極的な介護保険申請のサポートに力を入れております。
作業療法(認知症リハビリテーション)
認知症の治療では作業療法(OT)による認知症リハビリテーションが重要です。患者さん一人ひとりの生活環境や認知機能に合わせて、日常生活動作(ADL)の維持・向上や、記憶・注意・判断力などの認知機能への働きかけを行います。また、趣味や役割、社会参加を大切にした支援を通して、「できること」を維持し、その人らしい生活を長く続けられるようサポートします。
ご家族へのサポート
認知症はご本人だけでなく、ご家族の理解と支援も大切です。介護負担を軽減するため、地域の医療・介護サービスとの連携や相談支援も行っています。場合によっては当院併設の老健施設であるアトレーユうおざきへの優先的な入所も行うことができます。
定期的な経過観察
症状の変化を確認しながら治療内容を調整し、生活の質(QOL)の維持を目指します。継続的なフォローアップが重要です。